ドイツで快適クッキング⑬ 野菜のクリスマスケーキ
そしてまた12月。ゴージャスなデートディナーのプランに心ときめかせたバブル時代や子供へのプレゼント調達に悩んだのもはるか昔のこと。近年ではロマンチックなイベントも縁遠く、この季節の暗さやウェットな寒さにげんなり、チョコ、クッキー、シュトレンだのまたベタ甘いものの連続か~と結構憂鬱!?11月からすでにスーパーに山積みされるクリスマスのお菓子、クリスマス・マーケットに漂うヴァニラ、シナモンやグローブなど独特のスパイスの香りも、感動的だったのはドイツに来て最初の3年くらいでした・・・・
今年はちょっと志向を変えて、シンプルな味わいの、でもヴィジュアル的にクリスマスに合いそうな野菜のケーキを作ります。甘さ超控えめです。
子どもが小学生だった頃によく作った健康志向のケーキですが、野菜嫌いの子が喜んで食べ、お母様たちにも好評でした。
野菜そのものの香りや甘みを楽しむために、ヴァニラエッセンスなど香辛料は使いません。仕上がりは和菓子(またはカステラ)のようなほっこりとした味に仕上げます。焼き立てよりも半日以上たった方が美味しいと思います。
この季節室温が下がりバターや卵が泡立ちにくく(気泡が安定しにくい)ので、材料はすべて暖かめの室温に戻してつくりましょう。また、野菜やはちみつなど水分の多い材料をつかいますので、卵白を別に泡立てる「別立て」にします。
作り方は簡単ですが、野菜など材料の種類や状態により仕上がりが変わってきますので、ぜーったい失敗できない「本番」の前に何度か試して調整が必要かも・・・ご自宅用の場合には、失敗作でもヘルシーな朝食用ということでお許しいただきましょうô‿+
カボチャのゴールドケーキ
「Hokkaidoカボチャ」はサラダ、スープ、付け合せ、スイーツなんでもこいのお助け食材で、この季節常備している野菜です。はちみつを使ってパウンドケーキにすると、日本のカステラのようなコクのあるしっとり、まろやかなケーキに仕上がります。
材料(ドイツのパウンドケーキ型1つ分)
かぼちゃ350グラム
バター160グラム
卵 4个
薄力粉(typ405)220グラム
はちみつ80〜90グラム(お好みで)
ベーキングパウダー8グラム
無農薬オレンジ 1个
ラム酒またはバーボン酒やブランディ大匙1
オーブンは180度、下からの熱に設定します
彩色に変化をつけるために黒ゴマをいれましたが、あくまでもカボチャやはちみつの味が主体に残るような控え目な香りのアクセントをお勧めします。もちろん定番のシナモンシュガーでも美味ですよ。
ホウレンソウのグリーンケーキ
材料(ドイツのパウンドケーキ型1つ分)
ホウレンソウ(ゆでて水を絞り、根茎を切った状態)120g
ヨーグルト(無糖) 150g
バター100g
卵4個
薄力粉(typ405) 220g
はちみつ100g
ベーキングパウダー8g
オーブンは180度、下からの熱に設定します。
ホウレンソウを茹で、冷水でしめた後かたく水を絞ります。ヨーグルトとはちみつと一緒に見るミルミキサーできめの細かいクリーム状にします。
後はカボチャケーキと同様の工程です。
クリスマスっぽさを演出するために、今回はHagenbutten(ローズヒップ)の赤ワイン煮を混ぜて使いましたが、ザクロなど、赤い食材のアクセントを見つけて、焼き上がり後のデコレーションを楽しんでください。ホウレンソウの独特な風味が苦手な人は多いのですが、青臭い味がしないどころか、バターや卵の素朴な香り、野菜とはちみつのすっきりとした甘みを楽しめる不思議なケーキです。
カフェ·ターキッシュ (普通のコーヒー豆で作ります)
レシピというほどのことではないのですが・・・・ベルリンに引っ越してきて旧東ドイツの人から教えてもらいました。インスタントコーヒー並みに簡単、飲みつけるとフィルターコーヒーより美味しいのでコーヒーメーカーはお蔵入りになりそうです。本当のトルコ風コーヒーには特別な微粉末コーヒーが必要ですが、普通のコーヒーの粉で作ります。
(普通の大きさの)マグカップはぬらさずに暖ためます。
コーヒーの粉を小さじ山盛り1くらいマグカップに直入れ、上から熱湯を回しいれます。コーヒーの粉が一気に膨らむよう一気にいれてください。表面に気泡がたくさん出るほど美味です。2分ほどするとほとんどの粉は沈殿します。